年に一度くらい、女性向けのファッション雑誌の表紙に示し合わせたかのように「パリジェンヌ」と、いう言葉が踊る時があります。
もちろん、たまたまなんだろうけど、パリジェンヌっておしゃれなイメージで、今も昔も人気ですよね。
私が10代の頃も、雑誌ではよくパリジェンヌ特集が組まれていました。
数年前にも「フランス人は10着しか服を持たない」というタイトルの本が、大ヒットしました。
アメリカ人も(あの本の著者はアメリカ人)、日本人も、パリに憧れ続けてるのだなあと思いました。
でも、パリに行ったり住んだことのある人は、「パリジェンヌは意外とおしゃれじゃなかった」って言います。
わたしがパリに行ったのは、かれこれ20年前でもうほとんど記憶がありませんが、いろんな雑誌や本を読んだり、在仏日本人のブログなどを読んでいると、フランスと日本のおしゃれの感覚は違うのかなって思います。
それは、フランス人が若い頃からあまり流行に流されず、一人ひとりが、自分にあったおしゃれをしている点。
日本だと、若い時はみんなと同じファッションをしていることが安心だったり、大人になってもある程度流行を意識してしまいますよね。
わたしは仕事柄、トレンドをまるきり無視することはできませんが、別にファッションの仕事をしていなくても、流行が気になる人は多いと思います。
フランス人は、「自分にはこの形のパンツが似合う」と、思ったら、流行りが変わろうと、ずーっと同じ形を履き続けるようです。
自分の定番スタイルが決まってるんですね。
また、よく言われることですが、自分の身の丈にあったものしか買わない。お金持ちでない、普通の大学生や若いOLがブランドもののバッグを持っているということは、ありえないそうです。
フランスと日本とではおしゃれに対する環境も違うと思いますが、今日はあらためて、パリジェンヌの魅力について考えて見たいと思います。
フランス人は本当に10着しか服を持たないのか
あなたは『フランス人は10着しか服を持たない』を読みましたか?
読んでも内容を忘れてる人も多いと思います。
実はこの本の「10着」というのは、そのシーズンのコアアイテムのことで、10着の中に上着やドレス、下着などは含まれてません。また、夏の10着の中には、冬のセーターなどはもちろん含まれません。
なので、実際は10着以上持ってるし、この本のテーマは「使わない服をたくさん持つのではなく、本当に着る服だけ厳選しましょう」と、いうことです。
そのために、やはり自分のスタイルを決めていることが重要ですね。「あんなファッションも、こんなファッションもしたい」では、とても10着に納めきれません。
『エレガンス』わたしが影響を受けた本
パリジェンヌやフランス人のおしゃれをテーマにした本は古今東西たくさんあります。
中でもわたしが影響を受けたと思っているのが、『エレガンス』という本。
物語は、ロンドンに暮らす冴えない主人公が、古本屋でフランス人女性の書いた『エレガンス』というタイトルの本を手に取るところからはじまります。女優志望であるものの、仕事はぱっとせず、夫ともうまくいかず、妊婦と間違えられるほどのぽっちゃり体型。自己肯定感が低く、外見にも内面にも問題が山積み。そんな彼女が、本の助言に従うことで、次第に人生が変わっていく様子を描いています。
ところで、どうしてフランス人は自分らしいスタイルを持っているのでしょうか?
それは、子供の頃から個性を大切にする文化の中で育ったからですね。
わたしたち日本人は調和の文化なので、「みんなと同じがいい」と言われて育ちます。それでも幼稚園までは個性を大切にされますが、小学校に上がると、自分の意見を主張する子や変わった子は、受け入れられません。そうすると、年頃になると「みんなと同じ服が着たい」と、思うし、大人になってもなんとなくそこから抜け出せないのです。
この物語の主人公はロンドンで暮らす32 歳のアメリカ人です。アメリカも多様性の国ですが、彼女は不安定な母親と家族に興味のない父親という家庭で育ったせいか、うまく自尊心を育てることができませんでした。イギリスに来たのも、前向きな理由からではなく「逃げるようにやってきた」と、書いてあります。
そんな彼女も、良い本との出会いと、良い友人に恵まれて、自分を育てなおすことができました。そう、この物語は人はきっかけさえあれば、いつでも人生をやり直すことができるということを教えてくれます。
今回このブログを書くことで、新たな発見がありました。この物語の中に出てくる『エレガンス』という本を、わたしは長いこと架空の書物だと思っていました。
ところが、今回ちょっと検索したら、著者も本も実在していました!しかも、数年前に新訳が出たばかり。
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こちら、わたしも読んだらまた感想を追加したいと思います。
フランスのカジュアルブランド
フランスを代表するブランドといえば、シャネルやエルメス。でも、それらの服を日常に着られる人の数は限られています。
日本で買えるフランスのカジュアルブランドを紹介します。
コントワー・デ・コトニエ
シンプルでリラックスした感じの服が多いです。ニュアンスカラーの色出しがフランスっぽい。
A.P.C
シンプルかつ機能的なフレンチベーシック。1990年代のフレンチカジュアルブームで注目されました。
パリジェンヌの特徴である「シンプルシック」を体現しています。
アニエスベー
こちらも90年代に流行りましたね。高校生の頃腕時計が欲しかったです。カーディガンを持ってた人も多かったかも。
ベンシモン
スニーカー・ファッション・雑貨など。特にスニーカーと雑貨がかわいい。
おしゃれなボーダーの着こなし
さて、フレンチスタイルといえば、やっぱりボーダーT。でも、今やフレンチカジュアルというよりも、「ママの制服」みたいになってますよね。
ボーダーを着て、おしゃれに見える秘訣を考えてみました。
自分に合うボーダーを探す
ボーダーシャツといっても、いろんなものが出ています。
たとえばバスクシャツと呼ばれる本格的なものは、生地が厚手で固め。これは、もともと船乗りが着ていたものだからです。
一方で、普通の柔らかいTシャツ素材のものも売られています。
あなたに合う素材は、あなたの体型や筋肉質か・脂肪質かなどによって変わってきます。
筋肉質な人は固めの素材が似合います。また、ぽっちゃりを隠したい人は、固めの素材で少し大きめのサイズ感のものを選ぶと肉を拾いません。
二の腕が柔らかい人や、華奢な人は柔らか目の素材の方が馴染みます。
太いボーダーは着太り注意
ボーダーの太さにもいろいろありますね。
太めなほど、カジュアルに見えます。また、ボーダーが太い方が横のラインが強調されるので着太りして見えます。
少しでも着痩せしたい場合、ボーダーの幅がランダムなものが、視線をごまかせます。
配色にも注意
白と青、白と黒というような定番のボーダーは、メリハリ感が強いです。メリハリ感が強いと、元気で快活なイメージになります。
一方で、白とグレー、白とベージュという明るい色同士の組み合わせはメリハリ感が弱いです。メリハリ感が弱いと上品でおとなしめのイメージになります。
自分にはどちらのイメージが合うか、考えてみてくださいね。
また、白といっても、真っ白なものと生成り色のものがあります。
真っ白はブルーベースさん向け。生成り色はイエローベースさん向けです。
ロングスカートと合わせる。
ボーダー自体がカジュアルの代名詞となってるので、デニムと合わせるとカジュアル感が強くなり、「普通のコーディネート」になってしまいます。
今年人気のロングスカートと合わせて、ちょっぴりフェミニンに着こなすといいですね。
サロペットと合わせる
パンツ派の人は、サロペットと合わせてみてはいかがでしょう。サロペットはトイレに行くのもめんどくさそうな、おしゃれ上級アイテムです。
白黒のパネルボーダーに、黒のサロペットは、大人の可愛らしさを引き出してくれそうです。キャスケットや夏用のベレーをかぶってもかわいいですね。
オススメのパリジェンヌ本
最後に、わたしの好きなパリジェンヌの本を紹介します。『パリジェンヌのあこがれ ギャルソンになるためのレッスン』です。
ギャルソンヌとは、知的で優雅で自立した女性を指す造語だそうです。ギャルソンとは男性という意味。もとは1920年代に流行したスタイルです。男性のパンタロンを履き始めたココ・シャネルに代表されるような現代的で自立した女性の象徴でした。
この本に登場するのは、自分らしいおしゃれを楽しむ14人の女性。
大人だけどボーイッシュなファッションがしたい、または、フェミニンやコンサバとは違った自分のスタイルを探している人に、ぜひ読んでいただきたいです。
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